会長からのメッセージ

今の選択が未来を決める

令和五年新春にあたり、山梨県北杜市の身曾岐神社において、またオンラインを通して全国会員の皆様と共に新たな年を迎えられますこと、至心よりお慶び申し上げます。

昨年はまさに「戦(いくさ)」という文字に象徴される激動の年となりました。いまだ続くコロナ禍に加え、ロシアによるウクライナ侵攻、安倍元首相の惨劇、一方では年末、日本サッカーチームの熱闘が国民の心を熱くさせました。まさにグローバルな規模で世情が動いていることを痛感させられます。

今年はどのような年になるのか、否(いな)、どのような年にするのか。それぞれの誓願、覚悟が試される年となります。

今年は様々な観点で未来に向けての選択をしなければいけません。昨年のテーマにありました「天意拝受」、しかし天意は拝受しただけでは済まず、その「発動」、すなわち各々の中で行動に移してこそ初めて意味があります。

ここ数年、我々人類はめまぐるしく動く事態に翻弄され、その時その時の対処対応に追われてきましたが、今年はいよいよ各々が行動に関して明確化、何を選択するか、どのように生きるかを自分の意志で決める年です。その今の選択が、これからの十年、百年後の未来を創り出すのです。

一昨年の四月四日から始まったWeb講演会。名古屋第二会場主の中野孝彦さん・章代さん夫妻が発起人となり、「コロナだからこそ、やる」という明確な意志と決断の下、最終的には全国会員を巻き込む一大ウェーブを創り出しました。

その流れを受け、昨年は全国会場が主催となり、リアルとオンラインを併行させたハイブリッドによる講演会が行なわれ、のべ千八百人もの方にご参加いただきました。

私が何より感動したのが、この全国イベントを創り出すため百名の方が実行委員として手を挙げ、自身の所属する会場の垣根を越え、文字通り「オールかむながら」として身命を賭して共に進んでこられたこと。その結果、お一人お一人がこの道を学ぶ同士として共につながり、未来の「かむながらのみち」を担われる人材として飛躍的な成長を遂げられたことです。

種は蒔(ま)いただけでは育ちません。水をやり、肥料をやり、時には激しい風雨から守り、心底からの愛情と熱意を傾けてこそ、初めて立派な実を結ぶのです。そのような意味で、今年は全国で蒔いた種を、しっかり育て、実を結ぶ。結実の年と言えましょう。

さて、毎年年頭にお伝えしております干支(かんし)暦(れき)。令和五年度の干支は『癸卯(キスイのウ、もしくは、みずのとのう)』となります。
令和四年『壬寅(みずのえのとら)』を振り返ると、まさに大いなる水の力で様々の事柄が流し出されてきました。「産みの苦しみ」と言ってもよい、新たな時の流れに向かう激動の年となりました。

昨年、私は年頭に「壬寅」のモットーとして「決して過去を振り返るな」「過去への未練、執着が運気を下げる」とお伝えしましたが、私の周りの人を見渡しても、苦しくとも頭を切り替え、過去の衣を脱ぎ前進していた人は運気が上昇し、逆に過去の栄光にしがみつき、立場や地位を守るため躍起になっていた人は運気を下げていました。

そして本年、『癸卯(みずのとのう)』の「癸」は陰の水性です。自然界では雨や川を意味します。「恵みの雨」です。また癸は北方に位置し「智慧」、人が正しく生きるための思考力、判断力、処理能力をさします。

「卯」は陰の木性。肉を切り開いた形を表す象形文字で、季節は春爛漫。「開く」「広がる」「解放される」。同時に世の中が二極化する。「正悪」「貧富」「本物、偽物」「運のよい人、悪い人」という意味にもなります。

「癸」も「卯」も共に陰性です。従って令和五年は、人々の心が陰=内側に向く。運、徳のある人は「自分も人も幸せに」、逆に運、徳のない人は「自分さえよければよい」というふうに心のベクトルが向かいます。

つまり「癸卯」は「自分という人間が天から試される年」です。

自然界の流れで見ると、「壬寅」で大海に流れ出た水が天に上り、「癸」雨露となり地上にそそがれる。そして水(すい)相(しょう)木(もく)で木性の「卯」を育む。「卯」は季節においては春の中心。陽気盛んにして地中のものも出土する。「春門」といい、季節の門を開くの意です。

さらに「癸」は「甲乙……」と始まる十干の最後。すなわち物事の決着、ケリがつく時です。『この数年の取り組みが、良きにつけ悪しきにつけ結果となって現われる。そして一人ひとりのここまでの生き方の結果が現われる』と言えるでしょう。

一昨年から始まる布教の取り組みによって、全国に種は蒔かれました。しかし、その種を育て、導き、豊かな稔りをもたらすためには、会員一人一人がさらなる成長、もっと深く、広く、高く躍進を遂げる必要があります。陽から陰へと替わり、自己の内面へと意識を向け、今年は自身の智慧を高め、霊格を向上し、器を広げることが大切です。

そのような観点から、ここに令和五年かむながらのみちテーマを掲げます。

『今の選択が未来を決める
~天命の下に自己覚醒 自己昇華 自己実現~』

一人ひとりの覚醒、一人ひとりの昇華。思い、考えているだけではなく、意図を明確にし、行動に移し、結果に繋げることで、自己実現していく。重要なことはその大元に天命を拝することです。天意ではなく、天の「命」です。各々に神仏より下された使命を自覚することです。

十干最後の年、大自然界の空間が一(ひと)巡(めぐ)りし、十年の大運を締めくくる大切な一年。今年の選択が新たな時の運びを生み出します。それは全て、我々一人ひとりの選択に委ねられているのです。

私は本会会長として、今年は「全国会場が本部道場である」という位置付けのもと、各会場への出講を行動指針の中心とすることを定めました。

ご存じの通り今年は新本部道場の建設に向け、いよいよ本格的な着工となります。そのため約一年半はいわゆる「仮住まい」で本部会合を行なうこととなりますが、だからこそ今年は全国すべての会場が本部のご神前でありご仏前であるという認識のもと、私は全国へ趣きます。そして全国の皆様も、そのような意識のもと、各会場へ集っていただきたいのです。

その際は、必ず新しい方とのご法縁を結ばせていただくのだという、強い意図を持ってお互いに臨んでいただきたい。昨年蒔いた種を、しっかりと育て、結実へと導く。そのためには会員一人一人の行動。自己覚醒、自己昇華、そして自己実現です。

思いを形にしましょう。天命を悟り、行動へと移しましょう。この十年の生き方が成果となる、大切な年です。

そして来年は空間が一新し、新たな時代が始まります。そのような時、かむながらのみちは立教二十五周年を迎え、新道場での再出発の年となるのです。このような天の時、地の利、人の和がおのずと整っていることに、我々に下された天意が明確に伝わってきます。それを「天命」として各々の人生へと落とし込み、成果へと結びつけるのは、まさに今なのです。

今年は「新生かむながらのみち」に向けて、とても重要な一年となります。お互い様に今日一日の選択を大切に、天命の下、努力精進して参りましょう。

道祖の『真行』「世界一元」より、一節を引かせていただきます。

愛は神なり力なりである。

誠も亦神の本質である。総ての宗教の究極は茲に一致している。各宗教の一致せる究極は既に分派対立せる宗教そのものではない、宗教を一歩抽ん出て神に到達している。

神の大御心を奉体し、世界民族に接してのみ、如何なる宗教に帰依せるものと雖も之を導き得るのである。

試みに功利打算を離れ全身全霊を以て靡き来る唯一人の対手を獲得して見るがよい。唯一人を導き得ざるものは絶対に多数を導き得るものではない。

最後になりましたが、御皇室の弥栄をご祈念申し上げ、会員諸士のご健勝とご多幸、世界の平安を至心より願い、新年のご挨拶とさせていただきます。

合掌禮拝

-会長からのメッセージ

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