暦の上でも立春を過ぎ、新たな年が始まりを迎えております。本部におきましては、2月3日の星供護摩法要・節分立春祭を執行し、あわせて午未天中殺に入られる方がこの2年間、無事に過ごされますよう「除災招福」のご祈祷をさせていただきました。
これは私が毎年、配信しております天中殺講義においても常にお伝えしていることですが、この天中殺の期間は、単純に運が悪い、何もしてはいけない、というものではなく、むしろ見えない世界――祈り・学びについては、実に無限と言ってよい可能性に満ちた期間でもあるのです。
この天中殺の特徴について、よく「いきなり何もない宇宙空間に放り出されるようなもの」という譬(たと)えで言及されることがあります。確かに、現実的にはこれまでの枠組みが、良くも悪くも外されるので最大の注意が必要になりますが、同時にそれは自身の内面の「枠」も外れるため、その奥底まで見つめ探求できるということ。
ですから、この天中殺の間は、祈りと学びについて普段にも増して積極的に取り組むことで、これまでの自身の生き方を見直し、新たな決意を育み、そして2年後、生まれ変わった自分をフルに発動し、現実世界において格段に飛躍していくための、とても大切な時間でもあるのです。
奇しくも先月10日、この横浜本部道場において、アメリカ在住会員・仁科盛次郎氏による「心の解放とスピリチュアルヒーリングのワークショップ」が開催され、21名の参加者が実に意義深い体験をされました。
仁科氏は大学で心理学の博士号を取得し、現在はアメリカ・カリフォルニア州で催眠療法などの潜在意識セラピーを中心とした活動をされています。彼が本年始めに来日することから、是非かむながらのみち会員向けのワークショップをしてもらえないかと打診したところ、快く引き受けてくださり、今回の開催に至りました。
そして、当日は期待以上の価値ある、何より楽しくエキサイティングな1日となりました。また、参加者それぞれがメディテーションを通して潜在意識から、その奥にあるハイヤーセルフ――私たちの言葉でいう「内なる神」にまで探求していくワークは、まさに「みたまのめざめ」、信仰者として生きていく上で決して欠かすことのできない、自分自身について真のまなざしで見つめることのできる、非常に有益なプログラムであることを私自身あらためて実感致しました。
今回は第1回目ということもあり、参加者を正副会場主、また本部職員を中心とした人たちに限らせていただきましたが、仁科氏からは2回目以降の開催もご承諾いただいております(本年11月7日開催予定)。是非、多くの方がこの機会を通して、自分自身に対する新たな発見と、魂の覚醒を体験していただきたいと願います。
道祖が常におっしゃっていた「自己反省・自我没却」。これは何も自分の欠点を殊更に探して人格を強制せよ、ということではなく、「真実の目で自分自身を見つめ直せ」ということです。
ありのままの自分を見つめ、受容する。それは、これまで生きてきた何十年だけではなく、先祖代々、前世、すなわち「縦のカルマと横のカルマ」、この見えない世界への探求なくして、本当の自分など決して分かることはありません。そのような意味で、今回の仁科氏によるプログラムは実に有益であり、また私が皆様にご指導等の機会を通してお伝えしている算命学・宿命学は、まさに見える世界と見えない世界を結ぶため人類が長年にわたって培ってきた叡智の結晶と言い得るでしょう。
そのような学びを通して、真実の目で自分自身を見つめた上で、祈りと共に「仕事と家庭を修行の場」として取り組み続ける。それが「自己反省・自我没却」というお言葉に込められた道祖の真意です。
さて、今月は年始めの祈願を神仏に捧げる様々な機会が各地で催されますが、本山醍醐寺では、毎年2月23日に「五大力尊仁王会」が厳修されております。
この仁王法は810年、時の嵯峨天皇が朝廷内で起こった内紛により未曾有の国難に陥っていた状況を救うべく、唐より帰国した弘法大師空海に鎮静の祈りをご依頼されたことに由来します。空海はこれを受け、「仁王護国般若波羅蜜経法(にんのうごこくはんにゃはらみたきょうぼう)」を厳修、不眠不休で祈り込み、内紛を収め、世は平安を取り戻したと史書にあります。
昨年、開創1150年を迎えた醍醐寺では、その開創以来、2月15日から7日間にわたる前行を経て、2月23日には仁王会の大法要が厳修され、国家の安全と人々の「七難即滅」「七福即生」が祈願されます。
その法要は「五大力さん」として古くから民衆に親しまれ、当日は全国から数万人の人々が参詣に訪れ、柴燈護摩の厳修や奉納餅上げ大会など、実に様々な催しがなされます。
会員の皆様におかれましては、是非ともご自身の運気隆昌・世界平安の祈りを捧げていただき、本年の誓いをみ仏様の前にて新たにされることをお勧め致します。
さらに、この醍醐寺において3月15日、かむながらのみち奈良会場・名古屋第二会場合同主催によるワークショップの開催、私が講師を務めさせていただきます。テーマは「真言密教と神道」です。
私たちかむながらのみちの特徴であります「神仏和合」。その根底には、森羅万象を八百万神として尊ぶ神道と、この大宇宙を一つの「曼荼羅」として、あらゆるいのちのご縁と救済を目的とする真言密教があります。
今回のワークショップでは、あらためてその意義・意味を一般の方たちにもわかりやすくお伝えすると共に、そこから必然的に生まれた日本独自の信仰形態である修験道、また「上求菩提(じょうぐぼだい)・下化衆生(げけしゅじょう)」を体現する真言密教の具体的な行法と活動についても見ていき、簡単な瞑想の実践なども行なっていきたいと思っています。
参加人数に上限があることから、対象は奈良・名古屋の方に限定しておりますが、ゲストをお連れの方であれば他会場の方の参加も可能です。是非、多くの方と共に、真の信仰が持つ法の尊さと力にふれていただきたいと願っております。
そして、これは偶然ではなく、まさに必然の流れと受け止めておりますが、この日から醍醐寺では「清瀧権現桜会(せいりょうごんげんさくらえ)」が開催されます。
清瀧大権現とは、唐から帰国した空海と共に招来された龍神であり、さらに開山聖法理源大師により醍醐寺の鎮守神としてお祀りされましたが、私ども成就院においても、この清瀧大権現の御鏡(みかがみ)の入魂法楽式が、4月29日、執行される運びとなりました。
この御鏡とのご縁については以前、本誌でお伝えしましたので詳細は略しますが、故岡田戒玉猊下が開眼されたものを3年前にお預かりしてから、成就院本堂に仮祀りをしつつ、上醍醐への月参りと共に行を進めて参りました。そして、この度、ようやく諸事整い、あらためて御魂を入れさせていただき、あわせて「清瀧大権現」の御札を会として皆様にお分けすることが叶ったのです。
特に本年は火のエネルギーが最も高まる年であるとは、年頭に私がお伝えした通りですが、その意味で、この清瀧大権現による水のエネルギーを頂戴することは、各位各家庭の平安の源となるだけでなく、この清瀧大権現の御札を通して社会の安寧、世界の平和をしっかりと祈念していただきたい。そのための「入魂」が、まさにこの機会であるのです。
このように会の内外において、既に様々な動き、まさに「リスタート」が始まっております。会員の皆様におかれましては、この流れに沿って、常に学び、成長し続けていただきたい。それぞれの「リスタート」です。
私自身、指導者の育成、次世代への継承等が、既に本年の活動としてプランニングされておりますが、「夢を描ける未来創り」を実践する場として、KMS「かむながらのみち未来サミット」の発足を、ここに宣言致します。
このKMSは、文字通り未来のかむながらのみちを主体的に構想・実現していくチームとして、特に若い世代の会員を中心とした活動にしていく所存です。年度明け、4月にはその詳細をお知らせする予定ですが、この会を、そして未来の世界を担う意欲ある人たちが集まり、これまでに無い自由な発想を大切にしていきたい。
不易流行――どのような状況であろうと、決して変えてはならない精神があります。まさに原点回帰です。道祖や和光心院様、ご教主のみ教えにかけられた想い、熱意は、常に私どもが立ち返るべき原点です。
ですが、同時に組織や枠組みは、その時代に合わせ柔軟に変えていく。変化を恐れない。勇気と決断、そして発信力、行動力です。まさに火の力です。
人は自身のためだけを思っても、決して心の底から幸せを感じることはできません。自分のため、そして人様のため、世の中のため、自身を心からお使いいただくところに、真の幸せ、生きている実感、歓びが伴うのです。
令和8年はリスタート、与えて求めぬ太陽の心です。自身の使命に懸命に生きたところに、結果はあとからいつのまにかついてくる。これが、ひとが幸せに生きるための絶対的な法則です。
かむながらのみちとは、人が真に生きる道です。太陽のように輝ける道です。
どうかお互い様に、熱い心と、たゆまぬ精進を重ね、ともどもに歩み続けて参りたいと思います。
合掌禮拝